しれっと


by taigayuri

2009 関東ブ口ック 3

'09関東フィギュアスケート選手権大会
2009年09月25日~27日
千葉市美浜区 アクアリンクちば


9/27(日)
ジュニア女子フリー
ジュニア女子 - Free Skating Results


ジュニア女子フリーは大会最終日3日目、ノービスB女子の後に行われた。
これで今年の関東ブロック大会すべての競技が終わる。

今年東日本ジュニア選手権に進める人数は「6」。
昨年と同じ数字である。
51名のエントリーに対してはあまりに酷な数字。
でもこれが今の彼女達の実力に見合ったものなのかどうか、
いずれこの先の大会で分かるんだろう。




 第1グループに登場の6選手は、前日のショートで、フリーに残れるか否かの緊張感と一度戦っているだけに、SP上位の選手達に比べたら、失うものはないような強さがあったかもしれない。
 1番滑走の高杉紗英選手は"セビリアの理髪師"。ジャンプの抜けなどはあったが悪くはなかった。コンビネーションジャンプが入らなかったんだなぁ。SlStでレベル3を獲得している。前日も思ったあっさり感はあるけれど、シンプルな良さがあり、独特の間がまた面白かったりする。
 2人目が高瀬恵里香選手。"Jazz組曲"。中学1年生はやはり小さい。が、臆することなくポンポン跳ぶ。最年少ながらとても頑張っていた姿が全体の中でも印象に残った。TESではまずまずの得点をマーク。
 3番滑走清水麻由選手のフリーは"こうもり"。3Sと2Aは決まらず残念だったけれど、2Lzからの3連続が入った。穏やかさと品があった。
 4番滑走に本田麻希選手"sunny ray"。3Sは惜しくも決まらず、ジャンプは全体的に不完全だったものの、楽しいプログラムで溌剌と踊って魅せた。全選手中でもある意味異質。彼女が滑り出すと空気が変わる。この日はほどよく力が抜けていた感じもした。最後のステップが最高。しかもレベル3。
 5番滑走は根岸楓選手。"HUNGARIAN DANCES"。衣裳を見て夏季ジュニアの時の一生懸命な演技を思い出した。これからどんな選手になっていくのだろうと想像してみたくなるタイプ。今大会で存在を強くアピールした選手だと思う。
 グループ最後の6番滑走Meyer Melissa選手はジャンプが悉く決まらずに順位を下げてしまった。ちょっと不安そうな顔で、彼女の良さをこの日は出せなかったかもしれない。ここアクアリンクちばの氷は独特だという意見を耳にした。どう独特なのかは自分にはよく分からないけど、相性の良し悪しや対応力も勝負の重要なポイントとなり得るんだろうな。


 第2グループ一人目は前日とても良い演技を見せた菊池恵美選手。"My Blue Heaven"。濃いピンクと白のぐるぐるキャンディーみたいなポップな衣装。冒頭2Aのシークエンス(二つ目はただのAになったけど)、ダブルジャンプを良いリズムで決めていき、後半に入って2度目の2Aも成功。終始笑顔を絶やさず、最後はSlStを音楽によく乗って楽しく踊りながら。ピタっと音に合ったポーズが一つ一つが本当に可愛くて良かった。二日間ともほぼノーミス、フリーで順位を上げ大差でもちろんトップ。リンクサイドに帰ってきて先生から肩をぎゅっとしてもらっていたのが印象的。
 8番滑走の松嶋那奈選手がここで大爆発。"マリナレッラ"。出だし、2A+2Tを決めると勢いに乗り3S成功(<扱いだったけど加点つき!)。コマのようなジャンプで2Lz+2T+2Loも成功、単独2Aも成功。中盤の3Tこそ転倒したものの、スピンも良く最後まで勢いが止まらず、1ミスの吹っ飛ぶ素晴らしいフリーだった。場内も盛り上がる。これは面白いことになった。総合得点98.17で断トツトップ。
 9番目に志村采香選手。"アラジン"。素敵な衣裳。調子はあまり良くなかったのかな。前日とやはり同じような感想になった。また元気な演技を見たいと思う。良い時の存在感は本当に強かった選手だ。
 10人目に登場は鈴木伶奈選手。"赤いけしの花"。2Aやトリプルが綺麗に決まるのは見られなかったが、とても落ち着いて、夏季ジュニアの時よりもぐっと表情豊かな演技だったと思う。スピンはとても良かった。中学生から高校生になる、はっきりとした違いを今回彼女からも感じさせられた。
 11番滑走は中山里咲選手。"Brave Soul"。ジャンプの調子はいまいちだったかな。それでも自分に与えられた時間を大切に滑っている感じがした。不安そうな目を見ては心配にもなるし、笑顔につられてホッとしてしまったりもする不思議な存在感のスケーターだ。
 グループ最後の12番目に野口真紀子選手が登場。"砂の器"。SPに続いて新プログラムはとてもドラマティックな音楽でこちらも大人っぽい。ジャンプを一つ一つ丁寧に降り、後半までリズムを崩さずコンビネーションを成功させられる彼女は体力があると思う。回転不足判定がたくさんついてしまってるけど、演技はとても良かった。ラストの笑顔が本当に深みのある美しさで、やっぱり成長していくにつれ様々な経験が彼女の心も豊かにし、それが自然に演技に表れていくんだろうなとしみじみ思った。惹き込まれてしまいあっという間の4分間。今後の可能性を大いに感じる演技だった。


 最後の整氷が入り、このあたりから場内の温度も徐々に上がっていく。試合の緊張感もどんどんと高まっていく第3グループ。トップ6とも点数的に大差はないため、逆転は十分可能である。
 一人目13番滑走は鈴木美桜選手。"シチリア島の夕べの祈り"。彼女の実力なら落ち着いて滑れば必ずトップ6に届く。むしろ早い時間に周囲を気にせず思いっきり挑める滑走順でもある。でもきっと緊張していただろうな…。ジャンプは、ミスは少しあったけど、得意の3Tは2回決まり、2A+2Tも決まり、特に後半に盛り返す形になったのが凄く印象が良かった。スピンも綺麗。滑りそのものに大きなスケール感があり、やはりレベルが上だな~!と思えるフリー。上品で技術が確かな新横浜の選手達の中でも、美桜選手には突出した何かがあり、爆発力がある。たとえ良くない時の演技でも、無限大の可能性を感じずにいられないのだ。たから大切なチャンスを一つ一つ、着実に掴んでいってほしいなと思う。総合得点100.10。ここで初めて100点を超えた。
 14番滑走は長谷川奏選手。"A Tribute to Charlie Chaplin"。昨年から続きストライプのスカートの素敵な衣裳。このフリーはいつも勢いに乗って素晴らしい内容を見せてくれる、得意のプログラムといっていいはず。ショートもフリーも、彼女のキャラクターをよく活かしてるなと思う。最初のアクセルはシングルになったが表情は落ち着いていた。次の3T+2Tはスピードに乗って素晴らしい幅。目の覚めるような彼女のトレードマークはやはり健在。立て続けに単独3T、2Fも決まり、完全にリズムを掴んだ感じ。コミカルな可愛い振りもバッチリ決まっていてスピンは丁寧に確実に、最後の最後まで勢いに乗ったままフィニッシュ。ほぼ完璧!105.86でトップ。周囲の出来や点を気にせずにやれる順番だったというのか、それとも追い詰められた順位だったというのか、とにかく周知の実力を持つ2選手がしっかりと期待に応える素晴らしい演技を見せ100点を超えてきた。フリー後半2グループはやはり空気が違う。
 第3グループ3人目の滑走は奥山未季子選手。"黒い瞳"。トリプルはなかったけれど2Aを3回含むダブルジャンプがどんどんと決まり、音楽にも乗れていてとても良い内容だった。細かいミスはあったけど、ノーミスにも近いくらいの印象。スコアを見てこんなに<がついてるなんて思ってもみなかった。これまで彼女はこのプログラムにちょっと苦労しているような印象を抱いていたが、ここへ来てぴったりとハマった気がした。きっともっともっと素敵なプログラムになっていくんだろうな。点数は思ったほど伸びなかったけど、3選手続けて良い演技。当たり前の事なんだろうけど、本気だ。それだけ凄い試合なんだと実感する。
 4人目は中道実喜選手。"ピアノコンチェルト 第1番"(サン=サーンス)。ジャンプがあまり綺麗に決まらず。少し雰囲気に呑まれてしまったかな…。でも決して諦めることのない演技。終盤の踏ん張り、3連続ジャンプなどが良かった。まだ中学1年生。フリーで順位は下がったが、楽しみな予感をたくさん与えてくれた。
 5人目は加藤玲海選手。"バイオリン協奏曲第2番"。2A+2T、単独2A(<判定)、2Lo+2T、2Lz+2Tなど。気がつけばノーミス。というような感じ。凄く落ち着いていて、とっても丁寧な滑りに丁寧な演技で好印象だった。またもジュニア1年目であることをすっかり忘れさせられていた。もしかすると代表に届くのではないかと思った。GOEにはマイナスが一つもない。川越からまた一人、実力のある頼もしいジュニア選手が颯爽と現れた、そんな感じだった。
 第3グループの最後に登場したのは池田詩織選手。"黒い瞳"。ちょっと焦りがあったのだろうか、ジャンプがうまく決まらず。重みのある説得力のある表現ができる選手だなぁと思うのだけど、この日はちょっと寂しい印象に。
第3グループの選手達の根性と踏ん張り、絶対に諦めずに上を狙っていく姿勢は本当に素晴らしかった。


そして残すところは最終グループのみ。
6分練習の緊張感には、なにここ全日本?と思った。
それぞれにジャンプを確かめているが、
ここはほとんどの選手が決して無理をせず
確実な戦い方をするかなと思った。


 最終グループ一人目は浅見琴葉選手。"Black swan"。黒のドレスに、黒い羽の髪飾りが綺麗。冒頭に美しい2A。2F+2T+2Tも綺麗。途中、ループがシングルになったり、2Fであわや転倒の危機があったりと少し乱れた場面もあったが、プログラムの雰囲気に合ったスピンや連続ツイズルがインパクトの大きいCiSt、そして後半2度の2Aでしっかりと演技をまとめ上げた。トリプルジャンプの復活はまだもう少しのようだけど、ジャンプの前後やスピンの出などでハッとさせられるような動作がどれも美しく、彼女の深い思いが伝わってくるような演技だった。浅見選手自身の一昨年からの3シーズンを表現したプログラムだという。彼女はもう、自分は大丈夫と信じることが出来ているように見える。109.59でトップ。東日本に行ける。
 二人目の滑走は石井綾香選手。"ラフマニノフ ピアノ協奏曲"。後半にコンビネーションジャンプを固める構成で、堅実に、期待通りと言えるノーミス。この緊張感の中でまたも完璧といえる演技。普通にやれば大丈夫、それを遂行するのがどれほど難しいか、想像を絶しては溜息が出てしまう。ここは本当に大事な、結果が求められる場面だし、本当に素晴らしいのだけど、彼女は彼女らしく滑れているのだろうか…と見ていてつい欲張りになってしまう節がある。演技の抑揚や感情表現という技術も勤勉そうな彼女にならきっとついて来ると楽しみにしたい。安定感では最も期待も信用もできるのが石井選手だけど、どこかで殻を破って自分のために滑ってくれたらいいなと思う。100.74でここまでの3位。
 3人目は山口香奈梨選手。"ラストエンペラー"。6分練習では少し不安そうな表情も見え隠れしていた。何度も確かめていた3S。これが鍵かなと思った。本番では惜しくも転倒。その他は2度の2Aを含めてまずまずの内容だったと思う。ステップとスピンはどれも加点がついている。PCSのSSは中村未夏選手に次いで2番目に高い4.45。正しいフィギュアスケート。という言葉が合うような気がした。こんなスケーターが全日本にいてほしい。むしろ必要だと。良いものを全て持っている感じ。さすが佐藤夫妻の教え子といったところなのか。持つ雰囲気も演技も、本当に素敵な選手だなと改めて感じる試合だった。98.98 この時点で5位。
 4人目に登場したのがショート1位の遠山由華選手。"風"。スパンコールのたくさんついた水色の衣裳が美しくて、際立つ長い手足。実際にはまだ小柄なのに、氷の上ではとても大きく見える。3S+2T、2Aを完璧に成功。続いてどうするのかな…と思ったら3Loを跳び、しかし転倒。彼女にはそれほど難しいジャンプではないはずだけど、この大事なシーンで挑戦してくる攻めの姿勢には脱帽。そこから少しペースが乱れ、3Sもミス、最後の2Aでも転倒。これがジュニア一年目という事なのか。経験の差か、体力の問題か。プレッシャーか…。それでもスケートや身のこなしは最後まで美しかったし、スピンも素晴らしくステップも良かった。プログラムの印象は少し霞んでしまったけど、彼女の美しい演技は本当に素晴らしかったし、実力は十分に伝わってきた。フリーは最終的に5位となったが総合109.37 ここまでで総合2位。
 続いて河西佳弥選手。"深き愛"。綺麗な2A+2Tから。3Sを入れるもミス、恐らく3Tを予定していた所では2Tに。二度目の2Aも美しい。素晴らしいスピンを見せるも、後半はシングルジャンプが続き少し元気のないフィニッシュ。遠山選手に続いて河西選手も、実力は素晴らしいものの、悪い内容とまではいかないものの、最終グループの緊張感に飲み込まれてしまったか。99.81 一名を残して6位。
 そして最終滑走は中村未夏選手。"トッカータとフーガ"。ブルーの衣裳。ぐんぐんスピードを上げ、3T+2Tは見事な大きさ。1.80の加点がついている。3Loは2Loに。3S+2T+2Tも素晴らしい!続く2A、3Tも加点がつき、2度目の3Sで惜しくも転倒があったが、最後の2A+2Tも決まった。ステップも全身をたっぷりと使い見ていて気持ちのよい流れ。スピンもポジションがとても綺麗になった。勢い余って危ないシーンは相変わらず6分練習では見られたけど、ジャンプは壁際まで行ってしまうことが多いけれど、今回は落ち着きがあった気がした。持ち味のスケールの大きい滑りで、全身で大きく伸びやかに魅せた演技、やはり彼女には絶対の存在感と実力があった。「意地を見せつけた」という言葉がしっくりくるような、そんな試合展開だった。124.30 断トツの1位。
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by taigayuri | 2009-09-27 23:59 | フィギュアスケート